ハキリバチ:バラの病気・害虫
ハキリバチとは
ハキリバチは土や木の中に巣をつくり、そこに切り取った葉を持ち帰り、その葉に花粉や花蜜を溜める。つまり、葉を食べるのではなく、巣作りのための資材にしている。ハキリバチに食い切られた葉は、きれいな円形、または楕円形に切り取られるので、すぐにそれとわかる。
葉は、かなり大きく切り取られるが、それによって株が丸裸にされるほどではなく、ハキリバチによって枯死にまで至ることは滅多にない。つまり、最も大きい被害はバラの「見栄えが悪くなる」こと。
バラが枯れるわけではないことと、花粉を媒介して受粉を助ける虫であることから、「害虫ではない」と考える人もいる。
ハキリバチ対策
上の項に書いたように、ハキリバチは切った葉を食べるわけではない。そのため、農薬を散布した葉を食べさせて駆除する方法は取ることができない。
そうなると、できる対策は以下のようになる。
- 殺虫スプレー……ハキリバチをたまたま見かけたらスプレー一吹きで殺せる
- 反射材を置く……アルミホイルなどの反射材で、キラキラするものが苦手なハキリバチを遠ざける
- 防虫ネット……防虫ネットで覆ってしまえばハキリバチは手が出せないが、バラの姿が隠されてしまう
↑上記の1は偶然にハキリバチを見かけないと実行できず、2と3は見た目が悪い。
効果だけで言えば、3を実施すれば完全に被害を防ぐことはできるのだが、見た目を悪くするハキリバチの被害に対抗するために、防虫ネットで見た目を悪くするのでは、あまり意味が無いとも言える。
このように、ガーデナーが満足できる手段が無い上に、「花粉を媒介してくれる、むしろ益虫」「枯死しないならそれほど心配いらない」とも考えられるため、特に対策を講じないとする人が多い。